私はUXにかかわる以前の業務として、ネットワーク技術でお客様の課題を解決する仕事を時には「技術者」として・ある時には「営業」として行っていました。現在UXデザイナーとしてその経験が非常に役立った経験をもとにUXデザイナーとしてのインタビューで心がけていることを紹介します。
過去の業務について
とある大手企業のネットワークインフラを提供する企業では、主にネットワークインフラにおいて課題を抱えたユーザーに対して解決案を提供し対応する業務を行っていました。
例えば
・集合住宅で、設備が古くてネットワーク設備導入が困難。
・近隣設備の問題で、通信環境が安定しない。
・リフォームしたいが、ネットワーク設備をどう解決すべきか困っている。
・コールセンターでは対処できないからとにかく訪問してください。
・タブレットの使い方教えて欲しい。
等、UXにあまり関係ないものもあるように思えるかもしれませんが、実は仕事の中にUXに関するヒントはいっぱいあります。
【環境要因に伴う課題解決とインタビューの関連性とは】
環境要因に伴う課題は、実は非常に多い課題の一つです。前職では特にこの課題が多いです。UXでは、ユーザー体験を考えますが、その中でも環境も大きな要素として存在します。環境要因の課題解決はどのように解決すべきかをUXデザイナー目線で話をします。
ずばり【現状調査と分析】です。特に現状調査には最も力を入れるべき要素です。現状調査をする際には、直接的要因、間接的要因、だけではなく、場所的要因、時間的要因等の環境要因も考える必要があります。そのため、現地で話をする前に現地の情報を事前に調査し、調査項目をピックアップしたうえでユーザーさんと接点を持つことが大事になります。
インタビューでも、事前にインタビュー目的だけでなく質問事項を事前に準備をすることが非常に大事です。そのため、インタビュー前の取材質問についても質問意図などを盛り込んでおくことが必要となります。
事前準備段階でユーザーにどの程度近づけるかでユーザーインタビューが効果的にできるかどうかが変わってきます。そのうえで、聞くための環境づくりとしてユーザーが話がしやすい空間や、居心地が良い場所で行うことも非常に効果的です。
【アウトプット(言語化)を助成する】
「コールセンターでは、らちがあかないから一端きてみてほしい」、よく耳にしており言いたくなる言葉でもあるかと思います。ネットワークは目に見えないものなので特にその対応が多かったです。
実際に訪問してみると、【インターネットモデムに新しく買ってきた無線LANを設定しようとしたがAP設定ができずにネットワークがつながらなくなった】という内容でした。専門家であれば、状況も解決案もすぐわかりますが、専門家でない方がこの状況を説明をするのは、非常に難しいと感じるかと思います。
UXデザイナーとしては、インタビューの際には、ユーザーに合わせて時には専門的な言葉をあまり使わないようにし、言語化しづらいことを手助けをすることが非常に大事な要素となります。
【共感性】
リフォームしたいや、タブレットで動画みたり写真を撮りたい等の個人単位での対応をしていました。リフォームしたい場合には、実際にどういう用途で利用するかも踏まえたうえで、ユーザーが行いたいことに合わせて、設備提案をしていました。タブレットで動画みたり写真を撮りたいと言っていたご高齢の方は、家族写真を表示させたり好きな音楽を楽しみたいとのことでした。その場で説明するだけでも解決はするかもしれないですが、今覚えてもまたすぐ忘れてしまうことを不安に思っていたようです。そのために、そのユーザー専用マニュアルをその場で作成するなどしました。
ユーザーに共感する、共感できるエピソードを共有することでよりユーザーの事が理解できるようになります。内容によっては共感できないこともあるかもしれないですが、そのために行ってきた行動はユーザーに伝わります。UXではこの一つ一つの対応を大事にすることで最も大事なことです。
まとめ
課題は人によって様々で求めている結果も人によって異なります。過去の経験から様々なユーザーと出会い直接話を聞くことができたのは、UXデザイナーとしては財産です。UXデザイナーからではなく、様々なポジションでの目線や仕事経験をしてきた方は、UXデザイナーとして非常に活躍できると思います。
UXデザイナーは、何も特別な職業でもないかもしれないですが、だれよりも企業とユーザーを繋ぐ存在なのです。そのため、だれよりもユーザー観点で企業とつなぐことを考えることができるのがUXデザイナーです。そのためにも、多くのユーザーの声を聴く場を整え聞くことが大事だと考えています。
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