仕事やテレビでもDX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが話題かと思いますが、皆さんの周りではDXは進んでいますか。DXって言葉はわかるけど、内容はよくわからない。DXって何!?DXをどこから着手すればいいかわからない。等お悩みの方も多いかと思います。

今回はそんなDXに関する専門的なラボでありさまざまな知見や実績を持っている株式会社「日立ソリューションズ DXラボ」の皆様にインタビューをしてきました。取材に応じていただいたのは、株式会社日立ソリューションズ デジタルソリューション推進センタ 部長代理 岡山 健一郎様(以下 岡山氏)。業務革新統括本部 技術革新本部 デザイン技術部 主任技師 大下 義勝様(以下 大下氏)です。

目次

1.DXラボについて教えてください
2.今回DXに着目したきっかけはあるのでしょうか
3.DXラボでできることとは
4.UXをどのように取り入れていますか
5.DXラボへのご連絡は企業からの相談のみでしょうか。

1.DXラボについて教えてください


-岡山氏
株式会社日立ソリューションズは、2010年の10月に発足した日立製作所グループの100%子会社です。日立グループの中でシステムサービスビジネスの中核を担うIT企業として、社会生活や企業活動を支えるさまざまなソリューションを提供してきました。現在は、デジタルソリューション事業のコンセプト『ともにつくる未来は、つよい』を掲げ、お客様との協創をベースに、最先端のデジタル技術を用いたさまざまなソリューションを提供することでDXを実現し、社会や企業が抱える課題にグローバルに対応しています。

『ともにつくる未来は、つよい』というのはどういうことを示しているのでしょうか

ただお客様の課題を解決するだけではなく、お客様と一緒になって課題の本質について考え、よりよい解決方法をともに作っていく「協創」を意識しています。新しいイノベーションを起こすことに挑戦する。『ぜひ一緒に一歩を踏み出しましょう』ということで 【日立ソリューションズ DXラボ】(以下 DXラボ)を立ち上げたのです。

2. 今回DXに着目したきっかけはあるのでしょうか

-岡山氏
IT業界での競争が激化している中、システム構築以外にも多くの分野で活躍する必要があると考え以前より研究していました。社会課題が複雑化してきたことで、解決すべき課題も変化しています。私たちには、今まで培ってきたお客様との実績や製品・サービスなどで得た知識、さまざまな分野でのつながりを活かして、お客様とともに課題を解決していく姿勢を提供できるのがDXではないかと着目しました。

課題をモノづくりという観点だけで考えるのではなく、「お客様と同じ目線で、ともに考え、ともに作り出し、真に迫る変革を起こす」ことを提供しています。従来、私たちは企業内での基幹システムなどを構築し、業務効率化などの課題をITで解決する「守りのIT」を主に提供していました。DXでは、ITを主軸に業務を発展させる「攻めのIT」としてイノベーションを起こすことが必要となっています。
こうしたDXを具現化するためには、どう検討を進めてよいかわからないと悩みをお持ちの方が多いと思います。そこでともに作る『協創』サービスを提供しています。私たちはDX推進のコンシェルジュとして、今までの経験に基づいた課題の解決方法やアイデアを元に、DXをカタチにすることでお客様が求める真のイノベーションを起こす手助けを一緒になって考えています。

3. DXラボでできることを教えてください

-岡山氏
DXには、「こうやってやればできる!」なんてセオリーがないのです。DXラボでは、ご相談いただいたお客様のことを深く考え課題の本質をとらえ、そこにデジタル技術を活用したアイデアをLeanUX的な考えやLeanアジャイルといったアプローチ方法から『真に価値あるもの』を生み出し具現化することに取り組むことができます。
実際のプロダクトを作るとなると時間とお金がたくさん必要となるので、操作画面などの簡易的なモックを作り、最小モデルのカタチにして作成しています。この最小モデルをお客様との協創でカタチにできるのは、DXラボを提供する上で今まで培ってきたノウハウがあるからなんです。

【例】プロダクトデザイナーの人材育成オンラインサービス活用シナリオ

私たちは、実際に利用する方や開発する方など、さまざまな関係者を含めたワークショップ型のディスカッションをしながら課題を見つけていきます。実際に業務で使用するユーザーがいることで、見えなかった気づきを得られるとともに、誰のためのサービスなのかというユーザー主体の考えを初期段階で導入することができるからです。
従来のワークショップなどは「Face to Face」で同じ部屋でディスカッションする形式で行っていましたが、DXラボとしてはオンラインでも実施できるようにしています。オンラインでは、オフラインと比較するとどうしても交換される情報量が減少するのですが、さまざまなツールやシステムを利用することでこのデメリットを解決しています。一方、オンラインであることを活かし、時間や場所、世代、組織、会社の壁を越えてアイデアを出し合うことができるようになっています。

【例】アイデアを具体化するオンラインディスカッションのイメージ

4.UXをどのように取り入れていますか


-大下氏
DXラボには、UXの要素を取り入れたさまざまなプロセスがあります。

【DXラボのプロセス一例】

1.アイデアの創出

「誰に?」を含む多様な視点でアイデアを自由に発想するワークショップを実施

2.仮説構築

アイデアのユーザー像を設定し、モックなどでアイデアの仮説をカタチにして作成

3.価値検証

簡易的なプロトタイプを用いた利用シーンの体験を通して仮説の価値を繰り返し検証

4.ビジネスモデル構築

周囲の関係者(ステークホルダー)の観点も含めて、ユーザーに価値を届けるまでのサービスとお金の流れを整理

5.最小モデルの定義

洗い出したユーザーストーリーを基に、ユーザーに価値を提供するためのサービスの最小モデルを定義

漠然としたイメージをモックや簡単なプロトタイプのカタチにして作成。想定ユーザーに利用シーンを体験してもらいながら価値の検証を繰り返し、アイデアを具体化していくアプローチを取り入れています。カタチにすることで、新たな体験のうれしさ、あるいは慣れない作業への戸惑いなどを観察することができます。UXはこの観察する・価値を高めるための要素として取り入れています。

【例】操作画面の簡易的なモックのイメージ


従来は『私たちが持つ技術や商品』を業務効率化やコスト削減といったお客様の課題を解決するための手段として提供していました。DXでめざす新たな価値の創出のためには、お客様の業務自体も新たな試みを伴うことから、デジタル技術の観点に加えてユーザー主体のUXの考え方が必要となります。そのため、DXラボの活動に参加するスタッフ一人ひとりもユーザー主体という価値を共有しています。

5. DXラボへのご連絡は企業からの相談のみでしょうか。

-岡山氏
ご相談が多いのは企業ですが、私たちの考えに賛同できる個人の方もぜひご連絡ください。みんなが幸せになるための積極的なアイデア創出ができ、既に何かアイデアをお持ちの方であれば、学生やクリエイターの方もDXラボの一員として、ともに課題を一つひとつ解決しながらトランスフォーメーションできればと考えています。ラボという空間でさまざまな人たちとコミュニケーションをとり、DXで新しい未来を一緒になって創ってくれる方はコチラまでご連絡いただければと思います。

私たちは、人々の生活を豊かにし、みんなが幸せになる手段としてデジタルを活用することがDXだと考えています。生産性の向上やコスト削減などの「事業者よりの課題の解決」だけではなく、DXを活用することで「暮らしにゆとりができ、楽しくワクワクできるビジネスを生み出すこと」がDXラボにおけるお客様との協創で実現できるのではないかと考えています。

【取材協力いただいた企業様】

株式会社日立ソリューションズ
所在地:〒140-0002
東京都品川区東品川4丁目12番7号
日立ソリューションズタワーA
代表者:取締役社長 星野 達朗
設立:2010年10月1日
事業内容:情報サービス業
URL:https://www.hitachi-solutions.co.jp/
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